所内にある、所長がよそから貰ってきた、品質、見た目ともに良くない椅子がある。
引越しの際、捨ててしまいたかったほどに、私はその椅子を好いておらず、しかし、
そのタイミングを逃し、どさくさにまぎれたまま、そいつらは当所に来てしまった。
だがね、気にいらないからすぐ捨てる、人にやる、また、そういうものを了見もなく
もらってくる、というのは、無駄消費と無駄循環を繰り返す、深みのない社会とその
生活である。
じっさい、そういうような混濁のうねりに呑まれそうな、じつに粗末な椅子なのだが、
そういう物でも活用してこそ、真に豊かで貧しい生活ではなかろうか(意味わからん)
ま、その不細工な椅子、2脚あるのだが、これをベースにして食堂の椅子を作ろうと
かねてより構想していた私は、昨日それを実行にうつした。
チープなパイプ椅子である。まず、パイプをマット黒に塗った。無表情なパイプなので、
厚くぼってりと塗って風合いを出してくださいよ、と所長にお願いした。不器用な所長の
ことである。期待通り刷毛目ムラだらけに塗りたくった。
私は、座面、背面の板をもう一度切り出した。
あとは、クッション用にスポンジを切った。それから、所長がどこかでごまかしてきた
厚手のソファー用生地を裁断した。これを板にタッカーで留めた。
そんなことをはじめ、床下収納の板を切ったりして夕方になった昨日。7時前には
所から歩いて10分ほどのところにある人気の店で酒。所に戻り酒。
椅子はもう少しで完成です。