夕刻松屋でカレーを食べる。
酒飲みの悪い癖で、今日は飲むまいとその日の朝誓っても、
あたりが暗くなると、つい決意がぐらつく。なぜにそう飲みたがるか。
ちょっとならいいかね、明日、飲まなきゃいいのだ、なんて愚劣な
考えがいくつも浮かぶ。
その飲みたい病を抑えるには、食べてしまうことで。満腹になりゃ
飲めまい。
かようなしだいで、業務後すぐに腹を満たしに松屋で行く。
カレーと味のしないキャベツの千切りサラダと味噌汁。
侘しい食事あるが、酒バカの病にはこれが効く。食え食え。
おかげで飲む気は、ぐーっと萎える。私はまっすぐ帰途。
すぐさま運動着に着替え一時間走る。
私はここのところ、朝の運動に加えて平日夜も走っている。
酒を控えその分の時間を運動にまわしているのだ。
一時間走ると、体は温まり、やわらかな疲労が気分よく、
もはや酒も欲しない。
貧乏には頼もしいアイデアである。光熱費が抑えられ、
飲み代が浮く寸法である。
何をたくらんでやがるんだ、おまえ。所長の目がものをいう。